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2011年11月

2011年11月30日 (水)

京都一周トレイル 京北コース3

11月17日に京都一周トレイル 京北コースを細野から熊田橋までのんびりと歩きました。
京北町の熊田橋に車を置き、ぎりぎりの時間でバスに乗り込み、細野まで

Img_9182 出発点の細野の神社・・紅葉がきれい

この日は、小春日和でとても気持ちよく、河原でお弁当を食べ、ついお昼寝でもしそうなくらいポカポカでした。細野から歩き始めると北山丸太の材木屋さんが軒を連ねています。その内の一件で話しを聞くことができました。北山丸太、いまは水の勢いで樹皮を剥くの知ってました?
日本の和室が少なくなり、なかなか苦戦されてる話とか、でも北山杉はここにしかなく床柱としては、全国一だということも・・とっても勉強になりました。
そういえば、昨年に細野から逆コースの山国まで歩いた時も、丸太屋さんに話を聞いたような・・
京北コースは、「鶴瓶の家族に乾杯!」と言った感じで地元の方に触れられるのがいいですね。

Img_9184 北山杉がお見事!!

Img_9191 魚ヶ渕の吊り橋と垂れ桜・・春にも来たいね

峠を越え、魚ヶ渕へ・・ここの垂れ桜は見事だろうな・・
上桂川沿いをてくてく歩き、河原でお昼ご飯。いつものようにお湯を沸かし、みんなで楽しく食べました。

Img_9195 途中、こんな公園も・・みんなの憩いのスペースなんだろな・・

Img_9197 河原で昼食・・う〜ん、気持ちいい

そこからはまた山の中に入っていき、峠を越えますが、時間があったので、黒尾山に登りました。ここからは京都の愛宕山がきれいに見えました。

Img_9199 京都の愛宕山

Img_9200 黒尾山山頂・・急登だった〜

熊田に到着して、見渡す限り刈り取られた田んぼの中、農作業をするおばちゃんに声をかけ、またまた家族に乾杯!田園地帯をゆっくり歩いて、車の停めてある熊田橋まで行きました。
のんびりした一日を過ごしました。楽しかったね

Img_9211 帰りは美山までお風呂に入りに・・茅葺きの里も観光しました。

2011年11月19日 (土)

若丹国境 八ヶ峰

2012年11月19日
今日は雨です。外ではかなり激しく雨の音が聞こえています。
本日予定していました、岩登り講習会は延期としました。延期日は参加予定者の都合を聞いて、また新たに設定します。メンバーの皆様には、メールまたはこのブログにて山行予定を配信します。また、ご覧下さい。

それにしても・・今年は本当に雨の多い年です。ここのところも日曜日ごとに降る雨・・、夏の雨は良い部分もありますが、秋の、特にこれからの雨は冷たいですね。岩トレはできなく、窓の外を恨めしく眺めています。明日は京都府岳連の震災復興イベントで、京都一周トレイルの補助に行ってきます。

先日行きました、京都府と福井県の県境、八ヶ峰をレポートします。
11月12日、R162経由で紅葉が眩しい?・・はずの高雄を通り過ぎ、五波峠へ向かった5名、途中の渋滞もなくすんなり来れたのは良いのですが、周山まで来て、周山にはコンビニがないことを、すっかり忘れていました。朝の8時40分でも、どこも買い出しするところは無く、少し困っていたら、前にオバタケダンに行った時に、神楽坂トンネルを抜けた所に確か小さな、ヤマザキデイリーストアがあったよな・・と思い出し、少し遠回りをして、五波峠に向かいました。

地元出身で今は大阪府にお住まいのS氏の話によると、その店は昔の記憶で知っているが、空いていないだろう・・とのことでしたが、行ってみると「何でも揃っている店」に変貌?しており、そこで買い出し・・その変貌?ぶりにS氏もびっくり!そこで買い出しができました。

Img_9141 五波峠にて

五波峠からは、若丹国境を西に向かうと芦生の最奥部付近の杉尾峠まで行きます。今回は東に向かい、八ヶ峰に向かいます。秋の国境線は、尾根線といえども道がわかりにくく、北山の地形の難しさを醸し出します。しっかりと地図を読みながら、歩きます。

Img_9145 地図読みしながら・・

メンバーの中に、夏に来たときにこの尾根を間違って入ってしまい、谷まで下りてしまい、八ヶ峰に到着できなかった・・という話を聞いていましたが、確かにテープなどが無ければ、間違ってしまうだろう所には、木々が重なり通せんぼうしてあり、「これでは間違えようがない」というところまで厳重に?案内されていました。テープの新しさ・・からすると、たぶん間違う人が多いのだろうな・・ということが伺えます。その他も芦生の稜線独特の多重山稜チックな所もあり、地図読み講習会を交えながら、ゆっくりと八ヶ峰に向かいました。

Img_9153 家族旅行村分岐にて

紅葉がきれいで、名田庄から家族旅行村経由で来る道を分けると途端に人が多く、たくさんの人がナメコ採りをしていました。先日、芦生の森でも団体さんがナメコ採りをしているのを見ましたが、森に住む動物たちのことを考えると、あまり感心しません。特に、大勢で取り尽くす・・のは、気が引けますね。でも、そんなことはお構いなしにビニール袋を持ち、必死でキノコを探す大勢の人達・・・

Img_9155 山頂でゆっくり

Img_9157 日本海側・・少し曇っています

まあ、あまりお堅いことは言わずに、こちらは紅葉を山を純粋に楽しみました。
いくつかのピークを越えて、八ヶ峰頂上では、雲間に時折見える日本海を眺めながら、ゆっくりと昼食をとりました。少し寒気が残っていることを伺わせる、雲の流れで、山々が見えたり隠れたり・・時間もあったので、知井坂付近まで北尾根から一周ルートをたどることにしました。

Img_9168 八ヶ峰は美山五山の一つ

山頂からはいきなりの急降下ですが、このコースはあまり人が歩かれていないとみて、ズルズルの斜面
地図に表記の道は「いつのものやら」北尾根はあっという間に、林道みたいな太い道に出合い、その道を知井坂峠方面に向かいます。震災後、若狭湾の原発から伸びる送電線や鉄塔に、これから原発が使われなくなるとどうなるのか?と言ったような、何とも言えない虚しさを感じました。

Img_9165 知井坂峠のお地蔵さん・・今のルート上にはなく、ひっそりと見守られています。

Img_9163 ここも間違えそうな、直角尾根の突端にあるピークで引き返す

知井坂峠に着き、地図読み講習の続きに、先日行ったオバタケダン方面に少し足を伸ばし、最初のピークで引き返しました。またこの知井坂からオバタケダンまでの、美山トレイル?を歩きたいと思います。送電線工事のための林道でしょうか・・(オバタケダンに行った時もありましたが)随所に車の通れるような道はありますが、私達は、純粋に尾根を通して歩きました。

Img_9178 季節外れのタツナミソウ

二度目の八ヶ峰登頂!!前に道を間違い来られなかったメンバーは、「二度も登れて感無量!」と喜んでおられていました。二度目は雲も去り、東には同じく先日登った、三国岳、三国峠、百里ヶ岳がしっかり見えます。西には頭巾山や青葉山が見えます。若狭の海も見えます。みんな穏やかで、きれいでした。帰りは一路、五波峠へ・・また、往路とは違った光の差し方で、ますますきれいに見える紅葉を楽しみながら、帰りました。

Img_9174 ここは枯れもせず、紅葉がきれい・・

帰り道で、どこかで笛の音が聞こえる・・・だんだんと近づいてくる・・まさか、ブレーメンの笛吹きでは!?・・ちょっと古い・・・・と思っていると、尺八を吹く外国人に遭遇。荷物はバットケースに入っている、2尺の尺八・・吹いておられるのは1尺の尺八・・話を聞くと、田歌に住んでいるドイツ人の尺八奏者で、京都に住んでから20年、ほぼ毎日この道を登っている・・とのこと・・尺八のこともいろいろ教えて貰えました。世の中、いろんな方がいるなあ・・と、山での出会いを感謝しつつ、五波峠を後にしました。

Img_9176 紅葉を愛でながら・・

帰りは、かじか荘で汗を流して、ほっこり・・
今回は、ビジターで初めて来られて方も、会員になられ、これからもいっぱい山に登りたい・・とのこと。どうぞ「やまや」をこれからもよろしくお願いします。

次回は五波峠から東に道を取り、杉尾峠まで行きたいですね

2011年11月16日 (水)

高島トレイル 三国岳〜岩谷峠

Img_9080 桑原橋を出発

11月6日に高島トレイルの最南端を4名で歩いてきました。
この日は雨模様でしたが、皆さん元気にコースを歩かれました。
桑原橋で皆さんを降ろし、私だけ下山口の古屋へ車を置きに行き、自慢のMTBで桑原橋へ戻ります。
道から跳ね上がる泥が、顔にかかり、目に入る目に入る・・泥よけつけなきゃ・・
桑原橋には、高島トレイルの立派なトイレがあり、そこから歩き出します。
尾根の突端、いきなりの急登から始まり、序々に緩やかになる尾根筋を登ります。
雨は少し降っているもののレインがいらないくらいのレベル。11月というのにまだレインを着ると暑い

Img_9082 急登を登る

Img_9090 茶屋跡のある経ヶ岳とのコルへ

登るにしたがい、涼しい風が吹いてきます。なんとも心地よい・・
三国岳は尾根上から少し離れたところ、岩谷との分岐から少しで、三国岳登頂です。
ここで昼食にするつもりでしたが、風が強すぎで結局分岐に戻ってから、大ブナの下で昼食にしました。
Img_9092 三国岳頂上にて

ここから、岩谷峠までの道が今回のメインで、岩混じりの尾根筋を木に捕まりながら下ります。
ブナの木が雪と岩で曲がって、芸術作品のようです。

Img_9100_2 杉なのかブナなのか・・

Img_9104 ぐにゃぐにゃです・・

岩谷峠までの道は、針葉樹と広葉樹が入れ混じる樹様で、今年の台風で紅葉する木々のほとんどの葉が落ちている中、ここの稜線は針葉樹が守ってくれていました。
特に、シロモジの黄色がとても鮮やかでした。

Img_9110 シロモジがきれい・・

Img_9115 芦生の稜線に多いエゾユズリハ・・実がなっています

岩谷峠からは急な尾根を、途中から谷へ下り、快適に歩きます。
あっという間に林道に出て、楽しい会話で盛り上がりながら、車の置いてある古屋へ
帰りは、いつもの朽木温泉「てんくう」で汗を流して、鯖寿司買って帰りました。
皆様、お疲れ様でした

Img_9121 谷に下りました

Img_9122 林道脇もきれい・・

2011年11月13日 (日)

鈴鹿の鹿島槍 仙ヶ岳

秋の紅葉のシーズン、2日程で鈴鹿の仙ヶ岳に登って来ました。
11/3は8名、11/7は3名で、同じコースをそれぞれ違った趣で、登りました。
どちらの日も天気は上々。3日は暑かった〜・・!

Img_8971_2 きれいな清流の仙ノ谷

ちょうど1年前にお隣の宮指路岳に登った時を思い出しながら、小岐須渓谷の林道へ。前日に途中の大石橋で通行止めとの情報を得ていたので、どこまで入れるか・・と思っていたのですが、3日は祝日ということもあり、路上は停めるスペースがないくらいいっぱいの車。なんとかスペースを見つけ駐車したのですが、道路陥没のため・・という理由の「陥没」は発見できませんでした。林道をつめ、登山道からいくつか渡渉を繰り返し、小社峠への分岐で仙鶏尾根への道へ。1/25000地図の登山道は古過ぎて、いつも、何年前の道?というものが表示されています。この道もエアリアには表示はありますが、1/25000の地図には表示はありませんでした。エアリアでは、枝沢を詰め、仙鶏尾根に達するルートが示していましたが、道は、沢には向かわず、尾根に登るルートへ・・沢への巻き道は閉鎖されていましたので、これは崩れやすい鈴鹿ではよくある事・・と、「新しい尾根ルートができたのだな!」と期待したのですが、結局、尾根の途中から沢へのトラバースルートへ・・また、この道が悪いし、やらしい・・時折、小さなルンゼを渡る所には、トラロープがあるものの、足を滑らすと谷に落ちます。

Img_9129 巻き道はやらしい・・(7日)

Img_9130 仙鶏尾根の語源の野登山を振り返る(7日)

あまり踏み跡もないので、そんなに人気のあるコースでは無いな・・と感じながら、最後の急登を登り終え、仙鶏尾根へ・・そこからは鈴鹿南部独特の花崗岩の風化した、ザレ混じりの岩歩き・・急登を汗をいっぱいかきながら・・でも、快適に東峰、仙の石、本峰の西峰へ・・
途中、野登山からピストン組にたくさん会いました。一番面白い?南尾根からのパーティも・・
秋の鈴鹿はいいですね

Img_8940_2 急登を登る・・鎌ヶ岳が見えてきた(3日)

Img_9134 仙の石で(7日)

Img_8952 東峰より・・鎌ヶ岳、御在所岳、雨乞岳、綿向山の稜線が見える(3日)

最後の急登を登り終え、西峰頂上でご飯を食べ、お湯を沸かしてコーヒーを飲むことが何よりも幸せです。頂上でたっぷり展望を楽しんだ後、小社峠まで急な道を一気に降り、そのまま谷道を登山口まで戻りました。

Img_8954 紅葉に染まる南尾根の岩頭(7日)

Img_8957 仙ヶ岳山頂で(3日)

Img_8962 山頂から南方面・・南尾根に隠れるように、鬼ヶ牙、長坂ノ頭、臼杵ヶ岳、その向こうに霧ヶ岳、高畑山、那須ヶ原山、油日岳がみえる(3日)

小社峠からの下山道は、何の問題もなく容易に降りることができました。
この仙ヶ岳はいろんなルートがあり、変化に富んだ登山ができます。それを「面白い」と捉えるか、「怖い」と捉えるかは登る方の意識の問題です。
今回、参加された皆様全員、充実の笑顔で帰京しました。
帰りは、鈴鹿のさつき温泉でさっぱり、ゆったり・・♨

2011年11月 9日 (水)

石鎚山 鎖場全コースと尾道

10月の最終週、四国の石鎚山に登りました。
今回は、鎖場の全コースを制覇する目的で出発したのですが、成就の日の出屋旅館で1泊して、肝心の2日目は生憎の雨・・本来なら危険なので鎖場は雨では中止で、巻き道で登るところですが、今回のメンバーは、岩登り講習会に3回も参加されている方ばかりで、果敢にも挑戦しました。

Img_8709 1日目 成就社から石鎚山を仰ぐ

前日の打ち合わせで、雨なら、試しの鎖と三の鎖は止めておき、一の鎖と二の鎖のみ登ることを決めたのですが、2日目出発する時は雨は止んでいました。これなら行ける・・と思い、試しの鎖に取り付いている時に雨が降ってきました。雨でつるつる滑る岩を鎖を頼りに前社森の岩峰にたどり着くも、周りはすでにガスがかかり何も見えず・・残念。

Img_8726 試しの鎖下で、簡易ハーネスの準備

Img_8731 試しの鎖を下り終えて・・鎖も滑る・・

何回か危険な所ではザイルを出し、確保しながらの登下降で、つるつるの岩場もなんとか通過・・剣山まで登り、夜明峠に着く頃には風雨は益々強さを増してきました。
前日、成就社でかの役行者が、「目的を達成し(成就し)」この地の戻ってきたことから「成就」と名付けられたことを思い出し、「雨にも負けず・・」自分達の決めた目的は何とか達成するべく、二の鎖までは気力を振り絞り、果敢にチャレンジ!!

Img_8736_2 一の鎖を登る

Img_8739 二の鎖核心部で・・他のパーティはここで登れず、引き返していきました。

途中で、益々激しい雨で、全体のテンションが下がることを恐れるも、皆様、益々燃えてくる様子・・
さすが、岩登り講習会の成果もあり、ザイルワークもバッチリ!
二の鎖の核心部で一度ザイルを出しただけで、つるつるの岩と鎖を、がんばって通過。
無事、目的を達成した皆様は、その後は、雨など一切苦にならないくらいの満足感で、頂上に達しました。頂上小屋で、ゆっくりと昼食を取り、下山時も紅葉の素晴らしさにしばしうっとりしながら、石鎚山を後にしました。

Img_8748 頂上で、雨でも気分は晴れ晴れ

Img_8718_2 紅葉はちょうど見頃

今回の山行は、岩に対し、苦手意識があった方が、「岩登り講習会」を経て、自信をつけ、本来なら雨ならば登山自体中止にする風潮が強まる中、目的を達成すべく、鎖場に及んでも中止にしなかったこと、その精神力と目的達成のための集中力を身につけられた皆様に、拍手を送りたいと思います。これ以上は危険だと、引き返す判断をするのも、ガイドである私の仕事ですが、今回は皆様の熱意・・というか、気力におされてしまった気がします。それ故に危険だとは一切思いませんでした。
「やればできる」それを実践した形となったこの山行でおおいに自信を付けられたのではないでしょうか?下山途中、成就社の「もみじ祭り」で餅投げが行われました。

Img_8777 成就社の餅投げで、皆さん童心にかえる・・

3日目は、晴れましたが、山には行かず、皆様のリクエストでしまなみ海道を通り、尾道を歩いて帰京しました。尾道の坂はけっこうしんどかった〜暑かったし・・3日間中、いちばんしんどかったかも・・
ここにも石鎚山の鎖場がありました。

Img_8796 志賀直哉旧邸から

Img_8814 尾道の石鎚山から尾道を望む

2011年11月 1日 (火)

百名山の意義

先日、南アルプスにいってきた時に、芦安の「南アルプス山岳館」というところにいってきました。
その時に、ほど近い「茅ヶ岳」で宿題を残し、帰らぬ人となった、深田久弥氏の没後40年展として「南アルプスの日本百名山」という特別展が開いていました。
前から、この山岳館に興味があったので、一度は行っておこうと思っていたのですが、そこで、偶然にもこの日本百名山を生み出した、深田久弥氏がどのようにしてこの百名山を選定したか・・?何を根拠にしていたか?ということを勉強することができました。

先日のブログにてコメントいただいた内容を見ていて、ふとこのような記事を書いてみたくなりました。

Img_0422 特別展の看板

今や、中高年の憧れの百名山ではありますが、今の世の中で、現実に求められているものとはかき離れた世界で、深田氏はこの百名山を選定したことを知ることができました。
特別展の挨拶文の行末に下記のようなことが書かれていました。

「深田は、簡潔で秀逸な文章で山々を擬人化して表現した「日本百名山」を著して、山岳文学の分野を確立し「独創性を持った個性的な山登り」を強く推奨し、実践しました。しかし、1971年3月21日「宿題の山・茅ヶ岳」を登山中、山頂を目前にして倒れ、帰らぬ人となりました。黄泉の国から南アルプスを初め、甲州の山々を見つめながら、その後、登山界で起きている「百名山ブーム」をどんな気持ちで見つめていることでしょう。」

また、深田氏の百名山を選ぶ基準として次のようなことを置いたと記されていいます。

(1)誰が見ても立派な山だと感嘆し、厳しさか強さや美しさか、何か人を打ってくるものが無ければならない。人間にも人品の高下があるように、山にもそれがある。人格ならぬ山格のある山でなけ   ればならない。
(2)歴史のある山。昔から人間と深いかかわりを持った山。人々が朝夕仰いで敬い、その頂きに祠をまつるような山は名山だが、観光地となり通俗化した山は選定外
(3)芸術作品と同様に強烈な個性のある山であること。付加条件として、おおよそ、1500m以上とした。山高きをもって尊しとせずだが、ある程度の高さがなくてはならない。

Img_8513 深田氏終焉の山「茅ヶ岳」八ヶ岳より

この文を読んで、皆様はいかが感じられたでしょうか?なぜ、百名山を目指すのですか?
現在の百名山ブームの中で、深田氏が感じて欲しいことを本当に感じ、感謝の気持ちで一つずつの山を登らしていただけるならば、それはきっと皆様の心に深く深く残ると思います。ただ、数を求めるのでは無く、百名山に登る意義をしっかりと理解して登るとすると、その登山はとっても有意義なものになります。現在では、それでも飽きたらず、200名山や300名山、各地のまたは各県の百名山なども出ている始末です。

Img_0421 南アルプス山岳館

ガイドである私がいうのも何なのですが、商品化されたような登山にはいまいち魅力を感じません。
山に登るということは、それぞれがそれぞれに深田氏が感じたような品格と気概を持って望むものだと感じます。コメントにもあったように、やまやの皆様は少なくとも「コレクター」にはならないでいただきたい。「百名山」を目指すなら、その1つずつに意義を感じ、強い思いで登って欲しい・・それでこそ、百名山、ならずも山に登る価値があるのだと・・私はそう思っています。

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